コラム

「2022年1月版」台湾のコロナ対策の現状からインバウンド回復時期を考える

訪日インバウンド関連ニュース2022.02.08
台湾の風景

日本におけるコロナ感染状況

日本では徐々に落ち着きつつあったコロナの新規感染者数がオミクロン株の流入により、改めて脅威を増している。オミクロン株による感染拡大の影響は、飲食業界、ホテル業界、旅行業界にとって今後向かい風となるだろう。その中でインバウンド旅客向けに事業を行う弊社として非常に関わりが深く、コロナ対策の優等生とも言われる台湾の感染状況やコロナ対策を見ながら今後のインバウンド回復時期を見据えるうえで参考となる情報を探って行きたいと思う。

台湾国内の感染状況

台湾・日本の感染者数推移

出典:https://covid.gutas.net/country?p=183 (台湾の感染者数推移)
           https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/ (日本感染者数推移)

上記のグラフは、日本と台湾の2021年12/1~12/31の1日あたり新規感染者数の推移をデータを基に作成した図である。驚くべきことに台湾の新規感染者数は、週平均で日本の約14分の1程で推移している。台湾の総人口が日本に比べ少ないという要因もあるが、これは台湾が行っているコロナ対策が効果的であると考えることができる。では、台湾ではどのようなコロナ対策が行われているのか現地情報も踏まえながら探って行きたいと思う。

台湾のワクチン接種率

ワクチン接種状況
台湾のワクチン接種率は、それぞれ79.5%(1回目)で69.0%(2回目)となっている。(1月4日時点)また、台湾で接種されているワクチンは、アストラゼネカ、ファイザー、モデルナ、高端(国産ワクチン)の4種類で内3種類は日本でも承認済みのため、今後のワクチン接種率の上昇と感染状況の落ち着きにより日本への渡航解禁が徐々に現実味を増してくるだろう。

出典:https://ourworldindata.org/covid-vaccinations?country=TW(Our World Dataより)

コロナ対策

現在台湾では、一般的な市中対策(マスクや飲食店での消毒の義務化)に加え、2022年2月1日より始まる春節(旧暦の正月)に合わせた帰国者に対する厳しい水際対策を12月14日より開始する予定だ。具体的には以下流れで帰国者はコロナ対策への協力を求められる。

搭乗前

「3日以内PCR検査報告書」「宿泊証明書」「ワクチン接種証明*¹」等の書類を準備した上で到着前48時間以上前に入国検疫システムに申告を行い、出国の際に税関にて申告画面を提示する必要がある。

到着後

対象者はパスポートチェックを終えた後、唾液から検出する簡易スクリーニング検査を受け陰性証明を受けた後、専用車で隔離場所まで移動し隔離期間を迎える。
その際、対象は下記A~Cからなる検疫プログラムより1つを選択し、政府の指示に従う形をとる。
A)14日間ホテル隔離+7日間の自主隔離*²
B)10日間のホテル隔離+4日間の自宅隔離*³+7日間の自主隔離
C)7日間のホテルまたは病院での隔離+7日間の自宅隔離+7日間の自主隔離

*¹ Cプランのみワクチン接種証明書が必要となる。
*² 自主隔離は検温やマスク着用の徹底化等を含む。
*³ 自宅隔離の際には、個室での隔離が必須。

さらには、自宅隔離を行う場合には、同居する家族はワクチン接種後14日以上経過していること氏名、IDカード、電話番号など個人が特定できる情報の提出が求められる。上記施策よりまずは国内での感染拡大対策を推進していく姿勢が見受けられる。

出典:https://www.cdc.gov.tw/Bulletin/Detail/NI47Ps_FwSzR-S0AKTUsOQ?typeid=9(台湾衛生福利部HPより)

台湾のコロナ対策の背景にある思い

このような入念な封じ込め政策の背景にはどのような意識があるのだろうか。
現地出身のネイティブスタッフを通し台湾政府のコロナ対策についての彼らの考えを聞いてみた。

彼らの感染対策への高い意識の裏には、2002年~2003年に世界的な大流行を見せた
SARS(急性呼吸器症候群)が関係しているという。日本国内では死者0人にだったのに対し台湾では、346人もの人が亡くなっている。このような背景からコロナウイルスに対しては徹底的な取り締まりを見せていると考えられ、目下蔓延をしているオミクロン株への対策にも隙が無い。

一方でコロナ対策と並行しての台湾国内旅行は、盛り上がりを見せているとのこと。次回記事では、彼らが旅行に対し現在どのような意識を持っているか、今後日本のインバウンド事業にとって明るい兆しはあるのかを探って行きたいと思う。

出典:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou05/06-02.html(厚生労働省HPより)

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